生きる日々の記録

日々に思うさまざまなこと

白夜行/東野圭吾

白夜行 (集英社文庫)
今週は本読みモード。
文庫版で800ページ超という本書にトライ。
重いしあんまり持ち歩きたくないし!と気合いを入れて2日で読了しました。
東野圭吾の作品は半分くらいは読んでるけど
面白かったり、甘酸っぱかったり、
わりとライトに読める作家と思っていて・・・・
いやあ、もう出だしからだまされました。

二人の主人公の20年を断片的なエピソードで浮き彫りにしてゆく長い長い物語。
この長さをぐいぐい読ませる力があるのはさすがです。
構成の妙、ラストの含みの持たせ方、うーん・・・ほんとにしてやられた!
物事をもっとはっきりさせて欲しい、と思うのは読み手のエゴでしょうね。きっと。
正直、主人公の雪穂が感じ悪い女でいけ好かなくて・・・
でも女が幸せになるためにはある程度の狡さは必要なわけで
それがうまいこといっちゃうところがまた憎たらしい。
けれど読後、振り返ってみれば
彼女が死にものぐるいで(そう感じただけだけど)
得て、守ろうとした成功はどれほど彼女を幸せにしたんだろうか?
そこに彼女の消えることのない深い闇があるように思えました。

ものすごく嫌な読み方をすれば
亮司をも踏み台にしてのし上がっていくようにも思える・・・
そこのとこ、どうなんでしょうねえ・・・