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結婚出産しなかった私の話

「出産手遅れの女性は社会の捨て石」発言に泣いた(1/4) | 河崎環「WOMAN千夜一夜物語」 | PRESIDENT WOMAN Online | PRESIDENT Inc. http://woman.president.jp/articles/-/1101?platform=hootsuite

なんだか感じてたことがそこに書かれていたから、つられて記しておきます。
結婚出産しなかった私の話。このコラムに出てくる方たちほど立派な経歴ではないけど。


1.結婚出産はある日タスクになってた
雇用機会均等法第一世代付近でいわゆる「総合職」系に就いた女性は、男社会で男の人と同様に頑張ることが当たり前で、頑張れることが幸せとされてきたという時代があったと思う。
20年前のその頃、就活というのは女子だけの一般職と男女混合の総合職とに分かれていた。一般職はお嫁さん候補だと言われ、だから総合職はお嫁さん候補ではなかった。雇用側も被雇用側もそういう意識だったと思う。
女性として総合職であることは、女性の社会進出を具現化する存在で、バリバリ働き、昇格し、男性と同じレベルで会社に寄与することを求められたので、それが性に合う人は思う存分働いた。気がつけば30歳を超え、責任のある立場にもなり、部下も増え、どんどんやりがいも出てくる。私も仕事が楽しかったうちの1人で、いまでもそれは楽しい。

しかしその30を越えたあたりから、ふと足を止めて見れば仕事も子育ても両立する私がステキ、という価値観が台頭してきたように思う。
社会で仕事をバリバリすることを求められていたと思ったら、知らない間にタスクが増えていた。そんな感覚。
バリバリ働く先輩で、子育てと両立している人なんて身近にはいなかったから、まったくイメージができてなかった。結婚すれば退職。妊娠すれば退職、ものすごく運良く産休を取れても復帰すれば出世ルートは外れるというのが暗黙の了解だった。(今から10年も前の話です)

今ある仕事とまだ見ぬ子供とどっちが大事なの?

就職氷河期をくぐり抜け、どうにか得た就職先で、ここまで頑張って来た仕事をすべて投げ出して子供を作るの?子供を作るということはイコールすべてを投げ出すことだよ?実際そうならなかったらラッキー、というだけのことで。

彼と結婚して、子供ができたら退職して、子育てが終われば再就職という人生も検討したりした。けれど再就職ってそれスーパーのパートとかだよね。この先私、子育てしてスーパーのパートして人生終わるの?たった1人、産休から復職した先輩は、やはり閑職に追いやられ、やがて退職した。とても仕事ができる人だったのに。


2.結婚出産はずっとリスクだと感じてた
私の母は、私に言ったわけではないけれど、彼女は働きたかったけど子供がいるから諦めた人だった。子育ての間は専業主婦であるべきという圧力で、家で子供とばかり過ごす生活を続けて、それに疲れていった。たぶん、ちょっとしたノイローゼだったんだと思う。突然黙り込んだりふさぎ込んだりすることが多くなった。私が中学生になる手前で、これはよくないと思った父が外で働くことを許してから、彼女は見違えるほどイキイキした。

子育てって大変なんだな、仕事って大事だな。子供心にそう思い、私は仕事をちゃんとしなくっちゃ、と仕事への思いを深めた。同時に子育てというのはとてもストレスを感じるものだと学習した。それを超える喜びはたくさんあるのだろうけれど、子育てで社会から切り離される様は辛そうだった。

振り返って私はといえば、時には仕事のストレスで仕事以外のことが手につかなくなる。彼とのコミュニケーションも疎かにして喧嘩になるくらいなのに、これで子育てなんて完全にキャパオーバーとしか思えなかった。子供可愛い!なんて気分で踏み込めるプロジェクトじゃない。

すべてを抱えて行けないなら、何かをあきらめなくちゃいけない。私には重すぎるタスクだと思ったので、子育ては諦めました。何度かシミュレーションしてみているけど、イケる、と思えたことがない。コラムの立派な経歴の人ですら無理なのだから、私ごときではそもそも無理なのかもしれない。


今、仕事も子育てもできている人は素晴らしいと思うし、これからもっと両立しやすい社会にできるといい。さらに言えば医学や補償が発展して妊娠しなくても子供ができて保活なんてしなくていい時代がくればいいのにな。